各事業者・団体の取組好事例
娯楽業
- 就業者数
- 1,000人以上
- 主な取組内容
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- 実態把握
- 組織的な対応フローの構築
【現状】カスハラの実態と就業者への影響
暴言、脅迫、強要、威圧的な態度など、当社の行動指針に書いてあるカスハラ行為は一通り発生しています。
外国から来た方のカスハラ行為も発生していますが、言語の壁や文化の違いからカスハラであることを伝えるのは難しく、対応に困っています。
また、当初はサービスや商品についてのクレームであったはずが、就業者の対応に納得できないことにより、対応した個人への暴言などのカスハラに変わっていくこともあります。
特に深刻な事例として、サービスについて納得がいかず、最終的には商品破損という報復行為に及んだケースがありました。この一件は警察沙汰にもなり、対応したスタッフが精神的に疲弊してしまいました。
【対応】仕組み化で就業者を守る
現場では組織的に対応する仕組みづくりを行うとともに、カスハラ被害を受けた就業者に対してフォローを行う体制を構築するなどにより、組織として就業者を守ることを大切にしています。
1.実態把握
悪質な事例について記録をとるとともに、就業者に対して「クレーム対応する際、困っていること」をアンケートしました。
アンケートで現場からあがった「カスハラかどうかの判断が難しい」といった意見に対しては、「組織的な対応フローの構築」などにより対応しています。
2.段階的な対応体制
カスハラ行為があった場合、1人で対応を任せきりにせず、現場のスタッフがリーダーを呼び、さらにリーダーが責任者を呼ぶという組織的な体制をとっています。就業者が顧客等を不快にさせてしまった場合には、その上司が謝罪をして、その場を収めるようにしています。
また、別室対応等により、現場のスタッフから物理的隔離をするようにしています。別室対応は、就業者との隔離だけでなく、他の顧客等への配慮や時間を空けることによる顧客等のクールダウンにもつながっています。
3.責任者向け対応フローの策定
以前は、カスハラが発生する度、その都度現場で対応を検討していましたが、行動方針を実際に運用していくために、カスハラ対応の手順や基準を会社として公式に定めました。どのように対処するかの流れをフローで示しており、責任者間で共有しています。その中には、弁護士に相談することや警察に通報することも記載しています。
4.就業者への周知の徹底
業種の特性上、アルバイトスタッフも多く在籍しているので、細かい手順を決めるのではなく、身体的攻撃や暴言を吐かれた場合はすぐに上長に報告し、我慢せずにすぐ報告することを社内通知しています。
5.対応後のフォロー
顧客等のカスハラを対応した責任者に対して、更に上の上司等が話を聞くことで対応で感じたストレスを吐き出してもらい、負担が大きくなりすぎないようにしています。
【課題】現場でのカスハラ対応課題と多言語対応の影響
カスハラの基準はまだ引き続き課題があるように感じています。就業者に対してはすぐに上長に報告するよう周知していますが、各個人でそれぞれ基準が違うとともに、カスハラのレベルであるけれど「我慢する」「それが当たり前」と対応している就業者が多くおり、なかなか状況が把握できない実態があります。
また、外国語での対応が必要な場合には、通訳アプリなども活用していますが、細かいニュアンスが伝わらないことがあります。そのため、言語を話せる就業者が対応に入り、翻訳することが多いです。それにより、カスハラが発生する度に、その言語を話すことができる就業者ばかりが対応せざるを得ないことや、翻訳の過程で、行為者から強い口調で言われ続けることで後々ダメージが残る可能性があります。そのような点で他言語が話せる就業者への負担について今後考えていかないといけないと思っています。