各事業者・団体の取組好事例

飲食業

就業者数
1,000人以上
主な取組内容
  • 一人で抱え込ませないための相談室の設置
  • 社内での「クレーム対応」を学ぶ機会の創出

【現状】頻発するカスハラ

本部に報告のあったカスハラは年間150件ぐらいです。実際には、報告に上がらなかった例もあるので、全体では400件近く起こっていてもおかしくないと思っています。
報告に上がってくるカスハラで多い案件は金銭関係です。法律に照らして理不尽な返金要求も多く、対応に困っています。
また、店員が対応しても、現場の人間だからと見下し、まともに取り合わず「本社の人間を出せ」と要求される方もいます。過去には、お客様に暴言を吐かれたことが原因で泣きながら休職の連絡をしてきた従業員もいました。

【対応】組織的な対応と研修体制

1.一人で抱え込ませないための相談室の設置

カスハラを含めた、クレーム対応に関する問題を就業者一人で問題を抱え込まないよう、気軽に相談できるフリーダイヤルを設置しています。
そこには様々な内容の相談が届きますので、内容を聞き取り、それに対するアドバイスを実施しています。
相談に対応する際は、ただ答えるだけでなく、初めに相談者の考えを聞き、どのように対応すべきか自分なりの答えを出してもらうようにしています。これにより、クレームへの対応力が身につけられており、適切な初動対応に繋がっていると感じています。
また、相談室以外にも、エリアマネージャーや店長などの役職者が積極的にかかわるようにし、就業者を一人にしない体制づくりを徹底しています。

2.社内での「クレーム対応」を学ぶ機会の創出

社内の昇格試験において、「クレーム対応」を試験科目の一つとしています。これにより、一定の役職より上の者は、全員クレーム対応について知識があるので、就業者が判断に困った際に、誰に相談しても対応できる体制が構築されています。
また、店長になった際は、より的確に判断ができるよう研修も行っています

3.カスハラに対する対応方針の提示

カスハラに関する昨今の情勢を踏まえ、カスハラに対する対応方針を提示しました。顧客に対して、威圧感を与えたくないという思いはありましたが、会社が方針を示していないことで、就業者が安心してカスハラに対応できずに不幸になることがあってはならないと考え、提示することとしました。
ただし、カスハラ対策が行き過ぎて、顧客に対して失礼なことがあってはいけませんので、迷惑があった際は、その部分に関してしっかり謝罪し、その上でカスハラに該当する言動があれば指摘することを就業者に指導しています。

【課題】現場対応における判断基準

現場では、「顧客に寄り添ってできる限り対応したい」という思いが強く、顧客目線に傾きがちになってしまいます。そのような中で、しっかりと法律などの規則に基づき、「どの段階から毅然とした対応をすべき」という判断は非常に難しいです。
そのため、就業者が間違った判断をした場合であったとしても、それが顧客のことを考えて実施したことであれば、安易に否定せず、「気持ちはわかります」「そこまでしっかりと考えてくれたんだね」といった言葉をかけた上で、「今後はこのように対応してほしい」と伝えるようにしています。