基礎知識

カスタマーハラスメント(カスハラ)とは?

一般的に顧客からの暴言、理不尽なクレーム、無理な要求など、行き過ぎた迷惑行為のことを指します。
「愛知県カスタマーハラスメント防止条例」では、以下の3つの要素を全て満たすものと定義しています。
①顧客等からの就業者に対する言動である
②就業者が従事する業務の性質その他の事情に照らして社会通念上許容される範囲を超えたもの
③就業者の就業環境を害するもの

カスハラの行為者(顧客等)・被行為者(就業者)の例

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場所及び状況 行為者(顧客等) 被行為者(就業者)
店舗での商品・サービス購入 購入者 店員
介護施設の利用 施設利用者、利用者の家族 介護スタッフ、ケアマネジャー
電車・バス等公共交通機関の利用 乗客 乗務員、駅係員
企業間取引 発注者 受注者
行政サービスの提供 住民、議員 行政職員
集会活動 有権者 議員
ボランティア活動 活動参加者 ボランティアスタッフ
SNS等での書き込み 書き込みを行った人 店舗等で働く個人、団体

「社会通念上許容される範囲を超えたもの」の例

社会通念上許容される範囲を超えた内容

  • 理由のない・関係のない要求

    理由のない・関係のない要求商品・サービスと関係のない不当な損害賠償請求 等

  • 精神的な不当な要求攻撃

    不当な要求契約内容に相応しくない要求 等

  • 対応が不可能な要求

    対応が不可能な要求サポート時間外での対応等

社会通念上許容される範囲を超えた手段・態様

  • 身体的な攻撃

    身体的な攻撃殴る、蹴る、つばを吐きかける 等

  • 精神的な攻撃

    精神的な攻撃脅し、侮辱的な言動、土下座の強要 等

  • 威圧的な言動

    威圧的な言動大声でオペレーターを責める、店内で大きな声を上げて周囲を威圧する 等

  • 継続的な、執拗な言動

    継続的な、執拗な言動頻繁なクレーム、当初の話からのすり替え、揚げ足取り 等

  • 拘束的な言動

    拘束的な言動時間の拘束・居座り・電話 等

顧客等の権利への配慮

顧客等からの苦情・要望等のうち、客観的にみて、社会通念上相当な範囲でおこなわれたもの、いわゆる正当なクレームは、サービス改善のヒントなどにつながるものであるため、不当に制限されてはなりません。
顧客等の中には、障害のある方や認知症のある方も含まれるため、合理的な配慮が必要な場合もあります。
また、購入金額や契約金額、事業規模、業種・業態ごとの商習慣の違い等により、事業者や就業者に求められる対応も異なります。

カスハラ防止対策を行う際には、顧客等の権利が不当な侵害を受けないよう十分配慮することが重要です。